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ハートとアートの時代へようこそ - 「ハイコンセプト」

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先日買ってしまったクラシックカメラですが、週末や時間があるときに触っています。
まだ持つだけで楽しい時期で、「良い写真が撮れた撮れない」というのは二の次ですよ、ええ…(ニヒルに)。

考えてみると、このデジタル全盛の時代に敢えてアンティークやクラシカルなものを手に取ってしまうのは、やはりそこに機能性を超えた価値が感じられるからでしょう。それは私たちをわくわくさせるものであったり、懐かしくさせるものであったり、場合によっては涙を流させるものであったりします。

そのような価値を創出し、追求することが、これからの時代は主流になるのだということを論じている本が、本書「ハイコンセプト」です。

ハイコンセプト

現代において、特に先進国の製品・サービスの提供者が直面している危機を、本書は以下のように提示します。

  • 過剰な豊かさによる、美や感動を重視する価値観への移行
  • グローバル化の進行による、より安価な競合の増加
  • 技術革新に伴う、コンピュータによる仕事の代行可能性の拡大

これらの危機によって、機能的な価値しか意識しないような人、誰でもできる仕事しかしない人、単純作業に従事しているような人は、全て職を無くしてしまう危機に瀕しているのだ、と筆者は言います。

更に筆者は、感性を刺激するような新たな価値を創造する能力「ハイ・コンセプト」と、人々と広く共感し、喜びを推進する能力「ハイ・タッチ」を備えた人間が、このような危機を乗り越えることができると説きます。

そのために磨くべき6つの感性(センス)として、「デザイン」「物語」「調和」「共感」「遊び心」「生きがい」を挙げ、それぞれをどのように高めていくかを示してくれます。

最近のよく売れている製品について思い浮かべてみると、確かにコンセプチュアルなものであったり、デザイナの思想が機能性よりも大きく主張されているものだったりしますね。

例えばiPhoneなんかは機能面も完成度が高いものですが、そのような機能のデザインやサービス全体を含めて、Appleのデザインや思想が色濃く出されたものだと思います。他社の携帯電話もデザインや遊び心にシフトした製品が増えてきました。

手に取っただけでわくわくしたり、見ただけで感動するようなものというのは、製品という面と併せて、作家性が込められた作品、芸術として捉えることもできるでしょう。

豊かになった市場の中では、製品としての機能性はもはや横並びに近くなり、それだけでは差別化は難しくなります。人々の感性をより刺激する芸術の領域で、強力な差別化を図るという方向性には、あまり疑問の余地は無いように思えます。

とはいえ、高い作家性を発揮して芸術的な製品が構想できたとしても、「マイクロトレンド」が述べたとおり、現代は様々な嗜好が広く市場を構成していて、ひとつの大きな芸術が万人を感動させることは難しくなってきているとも感じられます。

そう考えると、本書で述べている高い芸術性を発揮する「ハイ・コンセプト」と、広い人々の共感を得る「ハイ・タッチ」というのは、まさに現代の製品やサービスを構想するために必要とされる能力と言えるでしょう。

本書のあとがきを、筆者は以下のように締めています。

ともかく、読んでくださってありがとう。アートとハートの時代での幸運をお祈りします!
(P.349 「あとがき」)

やや以前に刊行された本ですが、本書で述べられているこのような能力が、より求められる時代になってきたのだと感じました。

Written by nen

July 13th, 2009 at 8:00 P

2 Responses to 'ハートとアートの時代へようこそ - 「ハイコンセプト」'

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  1. 以前、参加したワークショップで
    この画像のような感じで講義のメモを取ってた人がいましたよ
    カラフルで分かりやすくておもしろいなーって思ってました^^;

    なな

    13 Jul 09 at %H:%M

  2. >ななさん

    ご無沙汰です:-)。
    マインドマップは最近流行ってますよね。個人的にもメモを取るとき簡易的に使うこともある(ミニ・マインドマップと言うそうです)のですが、結構大変です(笑)。
    私はまだまだ不慣れなので、カラフルに描くときには結構時間を掛けてしまいます。

    nen

    13 Jul 09 at %H:%M

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